こだわりと想い

1つの店舗に2つの物語。
当店では、親子であるわたしたちがそれぞれ違うメニューを提供しています。
とんかつを中心とした創作和食と、地域の風土によって育まれた食材の味を活かしたフレンチ。
その両方をお楽しみいただけます。
食を切り口に、違う道を辿った互いの個性を尊重することで実現した、当店ならではのアイデンティティ。
そのこだわりをご紹介いたします。

Hirofumi Ishida 石田 博文

埼玉のとんかつ屋で7年修業ののち、千葉の寿司屋で経験を積み、山梨でとんかつと創作和食の店「一心」をオープン。食事としての利用はもとより、お酒の席にも合う料理を提供し、無尽や冠婚葬祭の集まりで広く利用してもらえるお店として地域から親しまれる。40年、一心でとんかつを揚げ続けその熟練の腕と食材の目利きには自信あり。お客さんの笑顔がいちばんというサービス精神と、料理への愛情がモットー。

食材へのこだわり

「とんかつは音。見ていなくても頃合いが分かる」

長年揚げ続けお客様に愛されてきたとんかつ。肉屋を巡り10本、20本並んだロースの中から揚げるとんかつに最適な1本を厳選して選びます。脂身が多すぎず、かつ柔らかくさっぱりとした味わいが特徴のとんかつ。その秘密はお肉だけでなく油にもあります。食用油ではなく、温度調節が難しいとされる豚のラードで揚げることで豚特有の臭味がなくなり、さっぱりとした脂の甘味とうま味を引き出します。現在では扱いが難しく、ラードで揚げるとんかつは少なくなっているとのこと。
さらに重要なのが揚げるタイミング。揚げている音が変わる瞬間を聴き逃すことなく絶好のタイミングで油から引き上げます。ほんのりピンク色のとんかつに余熱でじっくりと中まで火が入ることで、やわらかく食べられる最適なタイミングを音で聞き分けています。とんかつを揚げ続けること49年。そのキャリアに裏打ちされた熟練の技術と、昔ながらの伝統の製法が店の味を支えています。

Hiroki Ishida 石田 弘樹

博文を父に持ち、家が料理屋であることから自然と小学生のころから料理人を志す。洋食のシェフとして箱根・宮ノ下の富士屋ホテルやフルーツパーク富士屋ホテル、ニューオータニなどの洋食部門でその腕を磨き、30歳のときに退職・独立。2015年地元である甲府駅北口、甲州夢小路内にフレンチレストラン「n.isshin」をオープン。2018年12月、父の「一心」と融合しリニューアルオープンを果たし、親子で店を切り盛りする。

食材へのこだわり

「食とワインのテロワールが味わえる料理を」

テロワールは「土地」を意味するフランス語が語源となっていて、ワイン生産における地理や気候、風土を指す言葉です。山梨の風土によって育まれた食材のおいしさ、生産者の思いを表現し、テロワールを味わってもらえる一皿を提供しています。特に野菜は生産者と直接やりとりし、珍しい野菜や旬の野菜を入れてもらっています。また実家の笛吹市・芦川では無農薬野菜を祖母が栽培しているため、採れたての無農薬野菜を入荷しふんだんに使っているのが特徴です。
素材の良さを引き出すのはずばり火入れが肝心。野菜の香りや本来もっているおいしさが立つ絶妙な加減を大切にしています。また、お酒とともにカジュアルにフレンチを楽しんでほしい思いから、山梨県産ワインを始め、本場フランスのワインも取り揃えています。かしこまらずにフラっと寄れてこだわりのフレンチを味わえる、もちろん誕生日や記念日利用にも。多様なニーズと、幅広い年代のお客様に親しまれるような日常に寄りそうお店を父とともに目指しています。